広美 私想手記

牛蒡とペンギン

恵みの秋ですね。

先日

きんぴらごぼうを食べていて

ふっと思い出した事があります。

それは東京裁判にまつわる出来事です。

ごぼうを捕虜の食事に出した日本兵が

「木の根を食べさせた」

という罪状で裁かれ

戦犯になったというエピソードです。

文化の違いもあるのでしょうが

裁かれた方が気の毒でなりません。

ごぼうの美味しい季節だったのでしょう。

ごぼうは当時高価でなかなか食べる事が

出来なかったそうです。

 「少しでも栄養のあるものを

  食べさせてあげたい」

という気持ちだったという事でした。

しかし

戦勝国が敗戦国を裁く一方的な裁判で

弁解の余地などはなかったのかもしれません。

そう考えると

泣きたい気持ちになります。

小さな頃から

一番最初に

ごぼうを食べたのは誰なのだろう

と思っていました。

今まで食べた事のない

得体の知れない物を食べる。。。

かなり勇気の要る事です。

今、ごぼうを美味しくいただけるのは

最初にごぼうを食べてくれた人がいたからです。

そうでなければ

捕虜の方と同じく、

ただの木の根だと考えたと思います。

最初に海に飛び込む

勇気のあるペンギンを

ファーストペンギンと呼ぶそうです。

食にもそんな

ファーストペンギンのような

勇気のある方が

いたのかもしれませんね。

 本日もお読みいただき
 ありがとうございました。

              広美